みなさん、「ヘアドネーション」はご存じですか?
ヘアドネーションは、切った髪の毛を捨てるのではなく、寄付してウィッグに加工してもらい、必要な人に届けることです。
とても素敵な行為に思えますが、実は「意味ない」「偽善だ」という意見も散見されます。
ヘアドネーションは本当に意味ないのか、真相を調べてみました。
ヘアドネーションは意味がないといわれる理由6選!
ヘアドネーションは、ウィッグなどを必要としている人のために、無償で髪の毛を寄付することです。
とても人の役に立つ、善意に満ちた行動に思えますが、ネット上では「意味ない」「偽善だ」という意見も散見されます。
ではなぜ意味ないと言われるのか、理由を6つ紹介します。
ヘアドネーションは意味がないといわれる理由①髪の毛の条件が満たされていなかった
実は、ヘアドネーションとして寄付できる髪の毛にはいくつか条件があります。
詳しい条件については後で紹介しますが、これらの条件を満たさないと、せっかく髪の毛を寄付しても正しく使われず、後悔することになってしまうかもしれません。
そして、この条件をすべて満たすためには、生まれつきの髪質や、日頃からのかなり丁寧なケアが必要です。
そのため、ヘアドネーション自体のハードルがかなり高く、これが「意味ない」と言われてしまう原因の一つになっているのかもしれません。
ヘアドネーションは意味がないといわれる理由②取扱店ではなかった
ヘアドネーションはどこでも出来るわけではなく、対応してくれる美容院があります。
せっかくヘアドネーションをしようと思っても、取扱店ではない美容院では断られたり、結局発送を自分で行うことになったりするようです。
また、最初から自分で切って寄付することも可能ですが、綺麗な髪を寄付するためにはカットの技術も必要になります。
取扱店が少ないこともハードルの高さの一因となり、「意味ない」という意見に繋がっているのでしょう。
ヘアドネーションする際は、しっかり取扱店で依頼するようにしましょう。
ヘアドネーションは意味がないといわれる理由➂ボランティア団体の信用不足
ヘアドネーションはボランティア団体が集めて寄付していますが、中には悪質なボランティア団体もあります。
たとえば、集めた髪の毛を寄付せず、高額で売ったり、買い取り業者に回したりしている団体もあります。
また、美容院側も、送り先のボランティア団体が適切に寄付を行っているかどうかまでは確認できていないこともあるようです。
せっかく寄付した髪の毛も、適切に寄付されていなければ後悔することになってしまいますよね。
ですが、しっかり調べて信頼できるボランティア団体を選べば「意味ない」ということはありません!
ヘアドネーションは意味がないといわれる理由④5万円以下でウィッグが手に入る
次の理由は、わざわざ本物の髪の毛を集めなくても、低価格でウィッグを手に入れることができるということです。
現在では、人工毛によるウィッグであれば5万円以下でも十分な質のものが手に入ります。
一方で人毛からウィッグを作る場合、ロングヘアだと約50人分もの髪の毛が必要になります。
これは、寄付された髪の毛の中にも短い毛や傷んだ毛など、ウィッグに適さない毛も入っているからです。
この手間を考えると、人工毛で十分じゃないか、というのが「意味ない」とわれてしまう理由のようです。
ヘアドネーションは意味がないといわれる理由➄人の髪の毛より人工毛を使いたい!
ウィッグを使う方の意見として、「人の髪の毛は気持ち悪い」「人工毛の方がいい」というものがあります。
確かに、誰のものかわからない髪の毛を身につけるのは気持ち悪いというのはわからなくはありません。
ですが、本物の髪の毛の方がいいという需要も少なからずあります。
「気持ち悪い」と思う人はそもそも人毛のウィッグを注文しないでしょうから、本当に人毛のウィッグを必要としている人のためと思えば、「意味ない」ということはないでしょう。
ヘアドネーションは意味がないといわれる理由➅余っていると誤解されている
ヘアドネーションは余っていて、需要がないのではないか?という意見があります。
「人毛が気持ち悪い」という人は特にそう思うのかもしれません。
しかし、これは誤解で、ヘアドネーションは慢性的に不足しています。
先ほど述べたように、ロングヘアのウィッグを一つ作るのに必要な髪の毛は約50人分と言われています。
また、ヘアドネーションする髪の毛には条件があると書きましたが、現在、31cm未満の髪の毛は寄付することができません。
以前は15cm以上でも寄付できましたが、現在はできなくなっているようです。
一方でウィッグを必要とする人の多くは病気などで髪の毛を失った子供たちであり、ロングヘアを希望されることが圧倒的に多いです。
これだけ長く髪を伸ばして寄付するには手間も時間もかかるため、ヘアドネーションは慢性的に不足状態にあるのです。
ヘアドネーションができる条件とは?送り方も解説!
ここまで「ヘアドネーションは意味ない」と言われる理由を見てきましたが、多くは誤解で、正しく行えば意味があります。
しかし、せっかく寄付しようと思っても条件を満たさず断られてしまっては、後悔することになってしまうかもしれません。
ここからはヘアドネーションできる髪の毛の条件と、送り方を解説していきます!
ヘアドネーションをする条件①31cm以上の長さであること
一つ目の条件は、長さが31cm以上あることです。
ウィッグは、寄付された髪の毛を半分で折り返し、真ん中の部分を地肌生地に縫い付けることで作られます。
そのため、基本的には実際に作りたいウィッグの倍の長さの髪の毛が必要になるのです。
31cmの髪の毛を使うと、15cmのウィッグが出来上がります。
15cmより短い髪の毛は植毛しても髪の毛が立ってしまい、うまくウィッグにすることができません。
そのため、15cm(寄付の長さでは31cm)というのが最低限の長さの条件として決められているわけです。
ヘアドネーションをする条件②乾いていること
二つ目の条件は、髪の毛が乾いていることです。
濡れた状態の髪の毛は加工しづらいため、寄付することができません。
寄付する際は、しっかり乾かしてから発送するようにしましょう。
ヘアドネーションをする条件③パーマやくせ毛はNG
三つ目の条件は、パーマやくせ毛でないことです。
パーマをかけた毛やくせ毛はウィッグにするのに適さないため、直毛である必要があります。
ヘアドネーションを考えている場合、パーマは控えておきましょう。
ヘアドネーションをする条件④ブリーチで退色してしまった髪の毛
四つ目の条件は、ブリーチで退色していないことです。
ブリーチを行った髪はかなり傷んでいるため、ウィッグには向きません。
また、退色しているとウィッグにしたときの見た目的にもよくありませんね。
ヘアドネーションを考えている方は基本的にブリーチもしないでおきましょう。
ヘアドネーションをする条件⑤ヘアドネーション取り扱いの美容院
五つ目の条件は、ヘアドネーションを取り扱っている美容院で依頼することです。
理由の中でも述べましたが、ヘアドネーション取扱店でない美容院では寄付することができません。
また、送り先として信頼できるボランティア団体を選んでいる美容院を選ぶようにしましょう。
ヘアドネーションを募集している団体の一つであるJHD&Cでは、ヘアドネーションに賛同している美容院を探すことができます。
以下のリンクから、希望の都道府県・市町村と用途を選択して検索してみてください。
例えば、東京都中央区のドネーションサロンで検索すると以下四つの美容院が出てきます。
- MATILDA hair make & nail
- 美容室こもれび 東京逓信病院店
- ヘアーサロン8+
- HAIR&MAKE EARTH 市ヶ谷店
是非参考にしてみてください!
ヘアドネーションをする条件⑥傷がなく簡単にちぎれない
六つ目の条件は、髪の毛に傷がなく、簡単にちぎれないことです。
傷のある髪の毛は、ウィッグに加工する際も完成したあとも、簡単にちぎれてしまう可能性があります。
これでは質のいいウィッグは作れません。
これは生まれつきの髪質によるところもありますが、ヘアドネーションしたい方は普段からしっかりと髪をケアする必要があるでしょう。
髪の毛の送り方とは?
以上六つの条件は共通ですが、送り先の団体によって細かい条件や送り方が異なります。
日本のヘアドネーションの送り先となっている団体は以下の三つがあります。
それぞれの団体への送り方を紹介します。
方法を間違えて後悔しないよう、しっかり確認してみてください!
一つ目:Japan Hair Donation & Charity

こちらの団体は、カラー・パーマ・ブリーチしている髪でもOKとされており、少しハードルが低いと言えるでしょう。
軽い傷みやくせ毛、白髪等も問題ないとされています。
ただし、長さ31cm以上、完全に乾いているといった基本的な条件はありますのでご確認ください。
詳しい髪の送り方は以下のリンクに記載されています。

二つ目:NPO法人HERO
こちらの団体では、切り口をしっかりまとめていること、髪の束は同一人物ごとにまとめることといった条件があります。
TOPICSとして寄付してくれた人の名前が掲載されており、寄付が役に立っていることが実感できますね。
こちらも、詳しい注意点や発送方法については以下のリンクに記載されています。
三つ目:つな髪
こちらの団体は年齢・性別・国籍不問で、ヘアカラーも暗めの髪色であればOKとされています。
以前は15cm以上31cm未満の髪も寄付できたようですが、今は休止されています。
また、白髪交じりの髪、パーマをあてた髪、退色したもの、くせが強い毛はNGとされています。
理由についてもきちんと説明されているので、気になる方は確認してみてください。
詳しい条件や送り方は以下のリンクをご覧ください。
ヘアドネーションは偽善ではない!
「ヘアドネーションは意味ない」「偽善である」という方の意見として、以下のようなものがあります。
ヘアドネーション、偽善とは言いませんが自己満足ですよね?
昔、母が抗がん剤治療でウィッグを検討した時に病院にカツラ売る業者が来ていて、なんかすごい高額でローンを組ませて売っていました。
母は人毛なんて気持ち悪い!とスキンヘッドを選択していましたが、私もそう思います。
誰だかわからない人の毛はいらないです。需要と供給考えたら、供給過多で長さが足りない髪を含めてほとんどが廃棄か美容師の練習マネキンにでも加工されている気がします。
また、人毛のマネキンは高額らしいので、ヘアドネーションで儲けている会社が明らかにあると思います。
違いますか?
誰のものかわからない髪の毛は気持ち悪い!という気持ちは、確かにわかります。
しかし、これまで解説してきた通り、人毛への需要は一定数ありますし、条件を満たすことがなかなか難しいため、需要に対して供給が全く足りていないのが現状です。
しっかり条件を満たし、正しい方法で行いさえすればヘアドネーションは確実に役に立つので、まったく偽善であるとはいえないでしょう!
ヘアドネーションは意味がある!正しくヘアドネーションをしよう!
今回はヘアドネーションが意味ないと言われてしまう理由、寄付できる髪の毛の条件、送り方について解説してきました。
結論、条件を満たし、正しい方法をとればしっかり人の役に立つことがわかって頂けたと思います。
ヘアドネーションを考えている方は、ぜひ後悔のないよう、正しい方法をしっかり確認してから実行してみてください!